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ラリベラ便り#10

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―森の落し物―

「オーフータロ!」資材調達の出張でアディスアベバから戻る道すがら、車の後部座席に座っていたテクレが叫びました。

指差す方向に目をやると、数人の子供たちが集まって、なにやら茶色い塊をこちらに掲げています。その茶色をよく見てみると、それは足を捕まれ、逆さまにされたフクロウでした。こちらの人々は、フクロウの肉を薬として用いるらしく、子供たちは道行く車に捕まえたフクロウを売ろうとしていたようです。

今僕らが働いている「フー太郎の森基金」は一羽のフクロウ「フー太郎」と一人の日本人女性の出会いから始まったNGO、フクロウはいわばFFFのシンボルです。当然これは捨て置けません。子供たちには小額のお金を渡し、このフクロウを引き取ることにしました。しかし、力なく抵抗を試みるこの鳥の翼には、骨がむき出しになるほどの大きな傷があり、可哀そうだけれど、ラリベラに戻る間にも死んでしまうだろうと思いました。そうしたら、僕らの農園があるシュムシャハ村の大樹の下に植えてあげよう、と。

それでも、このフクロウは一時間ほどの悪路移動に耐え、事務所に戻ってからもかろうじて息はしています。ぐったりしていて、ほとんど動かないけど、とにかくまだ生きています。とりあえず翼の怪我を消毒して、暗い場所に寝かせておきました。翌日にはスタッフに頼んで獣医さんにの所に連れて行きましたが、ラリベラには家畜以外の動物の面倒をみるような奇特な人間はいないため、結局、単に消毒をしてもらうことしか出来ませんでした。

ところで、生きているとなると、この鳥、どうやって面倒を見れはよいのかがさっぱり見当がつきません。ひとまず「フクロウ」を辞書で調べてみることにしました。すると、この鳥はどうやら「フクロウ目フクロウ科ミミズク(Horned Owl)」だということがわかりました。ミミズクは小鳥やねずみを捕食する夜行性の肉食鳥なので、どこかで肉を調達する必要があるようです。しかし、タイミングの悪いことに、今エチオピアは断食の期間中。なかなか生肉は手に入りません。仕方がないので、以前、大使館の方に分けて頂いた、なけなしのコンビーフの缶詰を開け、少しづつ食べさせています。最初はまったく食べなかったけど、無理やり食べさせているうちに自分から食べてくれるようになって来ました。今では、近くにく置いておくと、僕の見ていないところでこっそり食べているようです。

翼を動かすことも出来ないみたいだし、まだまだ予断を許さない状態ですが、このところ、僕が近づくとシャーッ、シャーッと威嚇をしてきます。少し元気になってきた証拠かな。

現地スタッフや事務所に来る人々は、このミミズクを「フータロ、フータロ」と呼んでいますが、ミミズクはヴォッ、ヴォッと鳴くそうなので、どちらかといえばヴォー太郎です。そして、怒っているときはシャー太郎です。

*****

もし回復したとしても、この鳥は、もう空を飛ぶことは出来ないと思います。それでも。

がんばって、生きろ。ヴォー太郎。

*****
1st day
保護した日の写真。この時から比べると、奇跡的な回復ぶりです。
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Author:Okano Teppei
フー太郎の森基金について
フー太郎の森基金はエチオピアの世界遺産の町、ラリベラで活動する環境NGOです。ちょっと変わった団体名ですが、フー太郎とはフクロウの子供の名前なんです。
フー太郎の森づくりに興味のある方は、是非お気軽にご連絡下さい!


岡野 鉄平について
現在5代目となるラリベラ事務所の駐在員です。鎌倉生まれ鎌倉育ちの、生粋の鎌倉人。趣味サーフィン、お祭り、ロッククライミング、温泉。1978年9月8日生まれ。

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