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ラリベラ便り#9

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―水があるということ―

水がないと何ができないか。
日本にいる間には考えもしなかったことですが、今ラリベラで生活をしていて、水の大切さを頭ではなく、体験として理解することが出来ました。

もちろん、水は人間にとって、生きていく上で欠かせない要素。
水分がなければ、人間は生きていくことが出来ません。

それに加えて、「手が洗えないこと」が、実は、とても大きな問題なんだということに気づきました。

ラリベラでは、人びとは家畜とともに生きています。ウシや山羊と同じ屋根の下で暮らしている人も少なくありません(家畜小屋と住居が一緒なんです)。あまり洗濯をすることもできないので、人びとの衣服も、元の色がわからないくらいに深い色合いになっています。その上、トイレを持たない家庭が殆どのため、村全体がひとつの大きなトイレといえるほど、人びとはどこでも用を足してしまいます。以前、3歳くらいの子供が、人間の排泄物をこねて遊んでいるのを目にして衝撃をうけたこともあります。

さらに、こちらの人びとの鼻や耳のほじり方は非常にオープンなスタイルで、腕や足を掻くのと同じくらいのライトな感覚で行われています。そして、その手で、食事をし、握手をし、また鼻をほじります。

潔癖症の人がここにいたら、トラウマ(精神的外傷)によって新たな人格を生み出してしまうのではないか、と心配になるほど、エクストリームな衛生環境なんです。

そんな衛生環境のなかで、エチオピアでは、カルチャー的に、人びとは誰かと会えば必ず握手をします。手を洗えない手での握手。つまり、常に汚れや細菌すらもシェアしている状態なわけです。実際、これは、すごく危険なことです。エチオピアの主食のインジェラは手で食べるので、手を洗わなければ、その汚れをそのまま体内に取り込んでしまうことになります。目を掻いただけで、雑多な細菌が目に入るリスクにさらされています。

少し話が飛びますが、今年一時帰国をしたときに、僕は2年前に赴任してからずっと悩まされていた手の平の皮膚炎を見てもらうために、地元の皮膚科に行きました。そこで医師から言われたのは、「手を不潔にしていることが原因」ということでした。そして真っ先に思い当たったのが、やはり村人との握手です。そういわれてみると、炎症が一番ひどいところは、握手をしたときにちょうど相手の指先が触れる部分です。なるほど。

握手をして皮膚炎を起こすほどの細菌を体内に取り込めば、なにかしらの病気にかかってしまうのは当然のことです。実際に、エチオピアには体の一部が動かない人や、目の見えない人がかなり多くいます。このすべてが、水が原因とは思いませんが、大きな原因であることは間違いないと思います。

生きるための水に比べると、どうしても優先順位の低くなってしまう、手洗いですが、疾患リスクを考えると、決して軽視できないこと。今後、僕達の衛生プログラムや、小学校での衛生教育のなかで、こうしたリスクについても取り組んでいければと思います。

++++++

日本でもいまだにインフルエンザが猛威を振るっていると聞きました。
皆様も、うがい手洗いを忘れずに!
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フー太郎の森基金について
フー太郎の森基金はエチオピアの世界遺産の町、ラリベラで活動する環境NGOです。ちょっと変わった団体名ですが、フー太郎とはフクロウの子供の名前なんです。
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岡野 鉄平について
現在5代目となるラリベラ事務所の駐在員です。鎌倉生まれ鎌倉育ちの、生粋の鎌倉人。趣味サーフィン、お祭り、ロッククライミング、温泉。1978年9月8日生まれ。

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