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ラリベラ便り #7

影

―情熱の行方―

白毛と栗毛。週末のマーケットでヤギを2頭、買ってきました。

学校建設もいよいよ最終段階。仕上げの工程に入れば、あとは専門技術を持った職人さんたちに作業を任せることになります。一緒に建設に取り組んできた村人たちとの作業もひとまず終わりです。乾季の厳しい日差しの中、決して楽な仕事ではありませんでしたが、みんなよく頑張ってくれました。そんなわけで、今までの村人たちの労をねぎらう為に、彼らに2頭のヤギを贈ることにしたんです。作業の進捗状況を見て、週末あたりに、村のみんなで一緒に食べようかと思っています。

さて、先日、ナクテラブでの仕事を終え、ラリベラへと戻る道すがら、山の上から完工間近の校舎を見て、ふと、涙が出そうになりました。そして、そんなセンチメンタルな自分に少し驚きました。まだ校舎が完成をしたわけでもないし、やるべきことは他にも山済みの状態です。感傷的になって立ち止まっている暇なんかありません。

それでも、ノスタルジックに染まった空の色のせいか、ラリベラに赴任してから一年半の間の出来事や、日本にいるときに考えていた事、やりたかった事、ずっともがき続けてきた事なんかが次々と思い出されました。

そういえば、昔、あるテレビ番組で、自分の仕事で涙を流す人を見ました。その人は百貨店の売り場責任者で、自分の企画したキャンペーンが成功し、喜びのあまりに泣いてしまったようでした。

僕にとって、それはある意味で衝撃的な映像でした。仕事で涙を流すこと。それがいまひとつ、自分には理解できなかったからです。醒めていると言われればそれまでですが、システムに支配された競争社会の中で、その一つの成果が、いったいどれほどの価値を持つのだろうかと。正直そんな風に感じてしまいました。しかし、一方で、自分の仕事で涙を流せるその人に妙に憧れた記憶があります。

そして今、ほんの少しだけその人の感覚が理解できる気がしています。全力で取り組んできて、ようやく出せる結果。さすがにまだ涙は出ませんが、高い壁を乗り越えた時の達成感は、その壁の高さではなく、どれだけ自分が懸命になれたかによって決まってくるのだということが良く解りました。

とりあえず、週末には村人たちとおいしいヤギ料理を食べます。そして、もう一度気を引き締めなおし、自分の仕事や生き方にしっかり向き合っていこうと思います。(2009年7月)
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Author:Okano Teppei
フー太郎の森基金について
フー太郎の森基金はエチオピアの世界遺産の町、ラリベラで活動する環境NGOです。ちょっと変わった団体名ですが、フー太郎とはフクロウの子供の名前なんです。
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岡野 鉄平について
現在5代目となるラリベラ事務所の駐在員です。鎌倉生まれ鎌倉育ちの、生粋の鎌倉人。趣味サーフィン、お祭り、ロッククライミング、温泉。1978年9月8日生まれ。

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