FC2ブログ

学校の作り方

19.jpg

事業期間中は、なかなか進捗状況の報告をすることが出来ませんでした。
すでに事業は完了していますが、2月~9月まで作業工程の軌跡を、大雑把に紹介したいと思います。(各写真をクリックすると、大きい画像でご覧いただけます。)



入札風景
1.業者の選定
建設を始めるにあたり、ラリベラ市の財務局にて、公開入札を行いました。
その結果、全ての審査基準を満たし、一番低い価格を提示した、シサイ・ブラハヌ氏と契約をすることが決定しました。


整地作業1
2.整地作業1
建設業者を決定した後、建設予定地の測量をし、整地作業をしました。
計画段階では、地域住民が無償で労働力を提供してくれるという約束だったのですが、諸事情により、この作業はFFFで行いました。


整地作業2
3.整地作業2
この校舎の基礎部を作るために、深さ50cmほどの溝を掘ります。
石がちのこの場所を掘るのには、大変な苦労が伴いました。掘ったそばから、硬い岩盤にぶつかります。


石集め
4.石集め
建設には大量の石材が必要になります。ちょうど、ラリベラ市では公共工事の道路整備があったため、石材の確保が難航。ラリベラ周辺をトラックで走り回りました。こういう石材は全て、地面に埋まった岩を、人の手で砕き、運びます。


大量の砂と砂利
5.砂利と砂の調達
コンクリート工事のための、砂利と砂を運びます。砂は15kmくらい離れた川辺からトラックで運び、砂利は人々が黒石をハンマーで砕き作ります。質の良いものを調達できるように、基本的に毎回現場でチェックをしてきました。


基礎部の石積み
6.基礎部の石積み
地面の下に埋まる基礎部は黒石を積んで作ります。一番大切な部分なので、質の良い黒石のみで作っていきます。一方、地面より上は、見た目がよく、比較的形成が楽な白石を使いました。この石の質にもこだわりました。


基礎工事
7.基礎工事1
人々は大きな石を大きなハンマーで砕き、調度良い大きさに整形します。そして重い石をすべて人の手で運びます。僕も、時間があるときには、一緒に作業をしてみましたが、本当に大変な作業です。


基礎工事2
8.基礎工事2
すこしづつ基礎部が見えてきました。作業を止めてしまわぬよう、良質の石材の供給に奔走しました。しかし、なかなか思うように石材が集まりません。また、この作業にはコンクリートのために大量の水が必要になりますが、乾季のこの時期、水の確保も容易ではありません。


基礎工事3
9.基礎工事3
石を積み上げ、セメントで固めるという作業を繰り返し、地下50cm、地上は50cm~1mの高さまできました。この作業に2ヶ月以上を要しました。


ナクテラブの人々
10.ナクテラブの人々
厳しい日差しの中、みんな良くがんばってくれました。ある程度、作業に区切りが付いたときには、彼らの好きな、タッラという地ビールを差し入れ、労をねぎらいました。


黒土の除去
11.黒土の除去作業
この場所の地盤は、岩と黒土でした。黒土は比較的やわらかいため、基礎部にはふさわしくありません。黒土を充分な深さまで掘り、変わりに赤土を入れて固めることにしました。


赤土の採掘
12.赤土の採掘
基礎部に使う赤土を掘るために、1kmほど離れた場所の山の斜面を掘りました。この時期は非常に風が強く、この作業も難航しました。その甲斐もあり良質の赤土を供給することが出来ました。


赤土での基礎作り
13.赤土での基礎づくり
基礎部をかなり掘り下げたので、必要な赤土の量も相当なものでした。トラックで何往復もしながら、赤土を運びました。


赤土をひたすら固める
14.赤土をひたすら固める
トラックで運んできた赤土を基礎部にいれ、水をかけながら少しづつ固めていきます。現場リーダーのタガネ(黄色いTシャツの人)のキャラクターのおかげで、楽しく作業が出来ました。


柱づくり
15.柱作り
基礎部がようやく出来上がり、次は柱を立てました。コンクリートに毎日水をかけることで、強度を高めます。とくに柱には、麻の布をかぶせて水をかける作業をしました。合計20本の柱を立てました。


床に鉄筋を入れる作業
16.床作り
柱が出来上がった後は、床になる部分に鉄筋を入れる作業です。この鉄筋は、基準よりも少し多めに入れました。この学校の床は贅沢にタイル張りにする予定なので、これで強度は充分です。


セメントを混ぜる
17.セメントを混ぜる
この建設には、実に40トン以上ものセメントを使いました。セメント価格が計画時の4倍近くまで高騰していたので、予算面でずいぶん悩まされましたが、セメントの量を削って、建物の質が落ちてしまっては元も子もないので、なんとか予算と折り合いをつけながら、事業を進めていきました。
ちなみに、このセメントを混ぜる作業、かなりの重労働です。


床作り
18.床作り
床部に鉄筋を入れた後、その鉄筋に沿ってセメントを入れていきます。水と砂を混ぜたセメントは、担架のようなもので、運びます。この担架も現場で作りました。


柱の次は壁
19.床の次は壁作り
床の基礎が完成した後は、いよいよ壁を作ります。シリンカという町から買ってきたブロックを積み上げていきます。ちなみにこのコンクリートブロックの調達にも、ずいぶんと泣かされました。
シリンカまでは片道6時間の山道ですが、何度もこの場所まで足を運び(2度は日帰り)ようやく調達が出来ました。


壁作り
20.壁作り1
政府の検査をクリアした、上質なコンクリートブロックを約3000個使いました。基礎部分には時間がかかりましたが、壁作りの作業は一週間ほどで完了しました。壁が出来ると、いよいよ建物らしくなってきます。


壁作り2
21.壁作り2
左側に写っているのが、この時期の現場リーダー、カルです。タガネもそうでしたが、彼らは現場の近くに家を借りて、建設作業に取り組んでいました。カルには、よくコーヒーや、食事に招待してもらいました。なかなかの料理上手。


屋根の骨
22.屋根の骨
床や柱を作る作業と同時進行で、屋根の骨をくみ上げていました。これを壁の梁の上に乗せ、トタンの屋根を作ります。材質はユーカリの木です。


コンクリートへの水やり
23.壁の水やり
他の作業同様、水をかけることで、コンクリートの強度を高めます。建設中の安全には気をつけていましたが、壁が出来てからは、とくに危険な作業が増えてきました。幸い、建設期間中に深刻な事故はありませんでした。


屋根を乗せる
24.屋根を乗せる
いよいよ屋根が乗り、ゴールが見えてきました。雨季前の完工を目指していましたが、この時点で雨が少しずつ降り始めてきました。本格的に雨季に入る前に、屋根を完成させなければなりません。


屋根をつくる
25.屋根を作る
ユーカリで作った骨組みに、トタンを打ち付けていきます。アディスアベバで調達したトタン板には、注文したものよりも薄いものが混ざっていたので、基準以下のものを取り除き、やむを得ず、数枚のトタンを買い足すことになりました。


ドアと窓
26.ドアと窓
ドアと窓は、ラリベラの鉄工所で製作をしました。他の高額な資材と同様、エチオピアの法律に則り、公開入札を行い、条件の良い入札者と契約を結びました。子供達の勉強机や、蛍光灯などの設備関係もすでに、調達が完了しています。


完成までもう一歩
27.完成までもう一歩
いよいよ、ゴールが見えてきました。ここまでくれば、後は最終仕上げの作業と、電気配線関係の工事のみです。アディスアベバで調達しておいた、床タイルも順次貼り付けていきます。


階段作り
28.階段づくり
各教室の前に階段を作りました。緩やかな斜面に作った校舎なので、水平にするためには、とうしても片側の基礎部分は高くなってしまいます。小さい子供達が怪我をしないように、緩やかな階段を作りました。


壁の仕上げ
29.壁の仕上げ
壁にはきめの細かいセメントを何層にも重ねて塗っていきます。また屋根のふちには雨どいを設置。校舎の周りには排水溝も作りました。いよいよ完成です。


教室内
30.教室内
教室の窓は大きめに作りました。天気の良い日は気持ちのよい光が入ってきます。また、床にはタイルを敷き詰めました。授業中の机の移動で壁がダメージを受けないように、保護する木材を貼り付けています。室内の装飾は非常にシンプルですが、子供達にとって、良い学習環境になると思います。


校舎完成1
31.ついに完成1
最終段階の仕上げ作業は、ほぼ注文どおりに仕上がりました。森作りを本業とするFFFのイメージにあわせ、壁の色は緑色にしました。室内のクリーム色の壁は、子供達が落ち着いて勉強を出来るようにと、落ち着いたやわらかい色を選びました。教室の入り口側の壁には、これから、子供達が絵を描くことになると思います。


校舎完成3
32.ついに完成2
この校舎は1棟4教室、各教室には3人がけの勉強机を予備も含めて30脚づつ、教師用の机と椅子を1脚づつ設置しました。また、夜間の教室にも対応できるように、こちらの学校には珍しく蛍光灯も設置しています。タイル張りの床に、コンピュータ用の電源、ドアの鍵はイタリア製です。採光のための窓も大きめにとりました。一般的なラリベラの基準に比べて、レベルの高い校舎になっています。


校舎完成2
33.ついに完成3
僕が子供の頃は何も考えずに通っていた小学校。それでも、その小学校の建物の雰囲気は今でもしっかり覚えています。これから、ここで学び、巣立っていく子供達にとって、大切な場所になってくれればと思っています。



ちなみに、この学校の目に見えないところ、いたるところに、僕の隠しサインがあります。屋根の上とか。せめてもの記念です。何十年後かに、再びこの場所を訪れたときに、それを探すのが楽しみです。

スポンサーサイト



学校建設事業が完了しました

ナクテラブ
学校建設事業、無事完了しました。

10月14日を持って、「ラスタ県ナクテラプ地区における初等教育の質的改善事業」つまり、学校建設事業が完了しました。

先週、政府学校への書面での引渡しも、もめていた業者への支払いも無事終わり、今はすでに子供たちがこの校舎で勉強をしています。今後は、アディスアベバから監査人を招いての会計監査や、外務省、現地政府への事業最終報告などがあります。

さて、この建設事業を振り返ってみると、本当にきつい仕事だったとつくづく思います。我ながらよくこなせたものです。もう一度やれといわれても、たぶん、もう無理です。

基本的には、こうした建設事業は業者に資金を渡し、作業のすべてを任せるのが一般的です。しかし、資材価格の高騰するエチオピア、予算管理と、資材管理のリスクを防ぐためにも、今回の事業では、資材調達から、現場管理までをFFFが一貫して行いました。

また、現在エチオピアで活動するNGOには、事業費支出のうち、人件費、事務所借料なのどの管理費を30%に抑えなければならないという規則があります。2008年度の管理費が50%近くになってしまっていたうえに、今年は事務所の借料を2年分前払いしているので、2007年~2009年の総支出でこの規則を守るためには、新規雇用を控えなければなりませんでした。そのため、僕自身も普段の事務所の管理業務に加えて、毎朝現場に出て状況を確認しての資材管理、毎週末は資材調達に走り回っていました。何か問題が起きるのが当たり前の日常でした。

現在ラリベラの他のNGOが行っている校舎建設は、事業開始からすでに1年半が経過していますが、まだ壁作りの段階です。しかも聞いた話では、現段階ですでに1,000,000ブル(1千万円)の赤字だそうです。物価上昇の激しい、今のエチオピアでは建設事業はかなり厳しいものです。

それを期日内に、予算内で質の高い建物を作れたのは、現地スタッフのがんばりと、政府のバックアップのおかげだったと思います。

今はすでに、次のプロジェクトも始まっています。
まだまだ、これから、がんばっていきたいと思います。


完工式が無事終わりました。

tapecut.jpg
9月21日。
ナクテラブ地区のカッチンマスク小学校の完工式が無事完了しました。

日本大使館からは駒野大使と舛田書記官、ラリベラ市からはラリベラのムルゲータ市長をはじめ、多くの政府関係者、地域住人や子供たちに出席をしていただきました。当日は、ナクテラブの村で大きなお葬式があったため、タイムスケジュールに若干の混乱もありましたが、とても良い完工式になりました。

さて、校舎の建設自体は昨日を持って、無事完了ということになりましたが、本当の成果が出るのは10年後、20年後になると考えています。この校舎で学び、遊び、成長していく子供たちがエチオピアの未来を作っていきます。その未来が明るいものになるよう、これからも政府、地域とともに教育の質の改善に取り組んで行きたいと思います。



frontside.jpg
新校舎前面①1棟4教室の校舎です。
outside.jpg
新校舎前面②小さな子供のために緩やかな階段を造成しました。
classroom.jpg
教室内 備品の質も重視し、快適な学習環境を目指しました。
dance.jpg
完工式 ラリベラの学生たちが歌と踊りを披露してくれました。
kids.jpg
子供たち エチオピアの未来です。

完工まで、もう一息です。

18.jpg
いよいよ、今週、校舎に屋根が乗ります。

資材価格の高騰や、エチオピアでの一般的な建設スピードから考えると、一年では完工できないのではないか、とまで、いわれていた学校建設ですが、いよいよゴールが見えてきました。

日々壁にぶつかり続けてきた校舎建設事業ですが、なにより資材調達にはとくに苦労をさせられたなぁ、と、今になってしみじみ思います。

たとえば、2007年までは115ブル/100kgだったセメントが、現在では430ブル/100kgと、4倍近い値段になっています。また、申請時には255ブルだった生徒用の机が665ブルとこれも2.5倍に。その他の資材も、軒並み倍以上の価格上昇です。エチオピアではこうした物価の上昇のせいで、予算が大幅に狂い、建設自体が止まってしまうケースは珍しくありません。

それでも、週末を利用して近郊の町を駆けずりまわった甲斐もあり、現時点では、資材の質を優先事項としつつも、予算より幾分か支出を抑えることができています。作業自体は予定より1ヶ月ほど遅れてしまっていますが、1ヶ月の遅れで済んでいると言えるかもしれません。

*****

さて、今週、校舎に屋根が乗れば、後は最終仕上げの工程に入るため、この先は専門技術を持った職人達に作業を任せることになります。いままで、一緒に建設に取り組んできた村人たちとの作業も、ひとまず終わりです。

今週末には、村人たちの労をねぎらうために、市場で買っておいた山羊を贈り、ささやかな村人たちとの打ち上げを計画しています。色々とありましたが、彼らも本当に良くがんばってくれました。

完工まで、もうあと一息。
最後まで気を抜かずに、張り切って取り組んでいきます。

学校校舎建設事業について

workers.jpg

この校舎建設プロジェクトは、外務省のNGO連携無償資金協力と云う資金供与プログラムで、2008年10月15日からスタートしました。プロジェクト名は「ラスタ県ナクテラプ地区における初等教育の質的改善事業」、なんだか硬い名前ですが、要は校舎不足に悩むカッチンマスク小学校に1棟4教室の鉄筋コンクリート造りの校舎を作り、生徒達の学習環境の改善を目指そうというものです。

もともとこのプロジェクトは、京都文教大学文化人類学部の松田教授と、ゼミの生徒達「プロジェクト・ウオプル」が「文化人類学として国際社会に対して何が出来るのか」というところからスタートさせた計画です。学生さんたちが授業を通して外務省への申請書を作り、FFFが事業の実施を請け負っています。そのため、単に校舎を建てるだけではなく、京都文教大学を通じて、日本とエチオピアの学生たちの交流の場にしていくことも、大きな事業目的の一つです。

2009年の2月から建設を開始し、現在では基礎部分が完成しています。本プロジェクトのエチオピア事務所の予算は、約800,000ブル(7,200,000円)。エチオピア事務所の2009年度メインプロジェクトです。

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新記事

プロフィール

Okano Teppei

Author:Okano Teppei
フー太郎の森基金について
フー太郎の森基金はエチオピアの世界遺産の町、ラリベラで活動する環境NGOです。ちょっと変わった団体名ですが、フー太郎とはフクロウの子供の名前なんです。
フー太郎の森づくりに興味のある方は、是非お気軽にご連絡下さい!


岡野 鉄平について
現在5代目となるラリベラ事務所の駐在員です。鎌倉生まれ鎌倉育ちの、生粋の鎌倉人。趣味サーフィン、お祭り、ロッククライミング、温泉。1978年9月8日生まれ。

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
Copyright © Okano Teppei